2012年05月13日

爺ヶ岳南尾根

P5050049.JPG
爺ヶ岳南尾根(2012.5.5)


GW後半、北アルプス・鹿島槍ヶ岳に登る計画で、柏原新道から爺ヶ岳南尾根を経て、冷池山荘へ。

しかし4日は天候も悪く、稜線では強い風とみぞれ混じりの雨で、翌5日の朝も風はおさまらず、鹿島槍ヶ岳登頂を断念して下山しました。

結局、冷池山荘(テント泊)を往復しただけで終わってしまいましたが、この天候ではこれでよかったのだと思っています。

GW後半
風雪の爺ヶ岳

爺ヶ岳から南・南東に延びる尾根が爺ヶ岳南尾根で、柏原新道ができる以前は爺ヶ岳の登山道として利用されていたようです。

積雪期は柏原新道が使えず、この南尾根が爺ヶ岳への登山ルートとなっています。

P5040008.JPG
ルート上からは針ノ木雪渓や蓮華岳から
鳴沢岳、岩小屋沢岳などの稜線が見渡せます。
4日の朝、この頃は天気が回復することが期待されたが・・・。


前半は樹林帯の中の急な尾根路で、ジャンクションピークの少し先からは森林限界の吹きさらしの路となります。

ジャンクションピークは、地図上の本来の南尾根との合流点で、ピークで南尾根と柏原新道に向かう尾根とに分岐しています。

P5040014.JPG
ジャンクションピーク
ダケカンバが生える緩やかな雪面が続く。
この辺りで幕営する登山者も見られた。


1週間前の週間予報では3日までは天気が悪く、4日から回復する予報となっていたので、4日からの山行を計画したのですが、直前で4日も天気が崩れる予報となりました。

4日の早朝、登山口では青空も覗かせ、天候が回復するかに思われましたが、登るにつれ天候は徐々に悪化していきました。

標高を上げていくと、風雨も強まり、ジャンクションピークからは爺ヶ岳は雲に覆われ、山頂をのぞむことができません。

やがて雨も降りだし、爺ヶ岳への吹きさらしの斜面では、西からの強い風にあおられながらの登高なりました。

南峰山頂では霧が掛り当然視界もなく、風雨も強くすぐに冷池山荘方面へと下りました。

冷池山荘への路でも西からの強風に悩まされ、やがて雨はみぞれとなり、思いの外時間を要することとなりました。

計画では冷池山荘に午前中に到着すれば、テントを張り身軽になってその日に鹿島槍ヶ岳を往復しようと思っていましたが、結局山荘に到着したのは昼過ぎとなってしまい、風雨も強まり視界もないのでその日は諦めました。

P5050034.JPG
冷池山荘前のテント場
夏のテント場は山荘から鹿島槍ヶ岳方面に少し登ったところにあるが、
冬期は山荘前に所狭しとテントが並ぶ。
山荘前の看板より爺ヶ岳よりの尾根の傾斜地に設営する。
風が強く設営に一苦労だった。


夕方から風は更に強まり、はじめ樹林の上をゴーゴーと風が吹き抜けていましたが、やがてその風はテントを直撃しはじめ、周期的に訪れる風の波にのまれそうな思いでした。

風の音に夜中何度も目が覚め、翌朝には風が収まっていることをお祈る思いでした。

翌朝、隣のテントの物音で目が覚めるともう辺りはすっかり明るくなっており、風は相変わらず強く吹いています。

テントから這い出して辺りを見回すと、雨は止んでいるものの鹿島槍ヶ岳方面は霧に覆われ何も見えません。

鹿島槍ヶ岳方面に向かう登山者も何人かいましたが、この強風で例え山頂に登ったとしても何も視界が得られず面白味もないと思い、早々に諦め登頂はまたの機会に譲ることにしました。

P5050035.JPG
5日朝の冷池山荘
鹿島槍ヶ岳方面の視界はほとんどない。


テントを畳み下山しましたが、下山と言っても爺ヶ岳を越えなければならないので、ある意味一旦は登頂することになります。

爺ヶ岳南峰までは、昨日と同様に強風にあおられながらの登高となり、山頂を越えるのに一苦労でした。

P5050036.JPG
爺ヶ岳への路も昨日はハイマツが青々としていたが、
一晩で氷の世界にとざされた。


山頂を越え、ジャンクションピークまで戻ってくると天候は回復し、先ほどまでの嵐が嘘のような青空が広がっていきました。

P5050041.JPG
爺ヶ岳南尾根から針ノ木雪渓・蓮華岳方面をのぞむ。


結局青空に始まり青空に終わるのですが、その間の2日間はとんでもない天候で、登山をしてはいけない日だったのかもしれません。

GW後半、北アルプスで遭難が相次いだまさにその日、私は爺ヶ岳を登高していたことになります。
早出が功を奏し、昼過ぎに山荘に到着し、その後の行動を中止していたことが正解だったと思っています。
GWの3000m級の山では冬山装備でのぞむことは当然ですが、これほどまでに急変する天候の怖さを思い知った山行でした。

爺ヶ岳で亡くなられた女性の単独行者のご冥福をお祈りいたします。


[お天気メモ]
5/4は寒気の影響で大気の状態が不安定となり、
関東〜北海道の太平洋側は大雨。
北アルプスではみぞれ交じりの悪天候となり、
凄まじい強風に見舞われ、遭難事故が相次いだ。
5/5午前中も稜線では風が強く、視界もなかった
が午後は次第に晴れ間が見えてきた。
この日九州では真夏日に。

[コース紹介]
爺ヶ岳南尾根・冷池山荘 
(1日目)
柏原新道登山口[約1330m]〜(40分)南尾根取付〜(170分)ジャンクションピーク[約2320m]〜(120分)爺ヶ岳南峰[2660m]〜(90分)冷池山荘[2420m]
(2日目)
冷池山荘〜(120分)爺ヶ岳〜(70分)ジャンクションピーク〜(140分)登山口

歩行時間:
(1日目)7時間(爺ヶ岳南峰まで5時間30分)
(2日目)5時間30分
最高標高点:約2660m 
標高高低差:約1330m
登山日:2012.5.4-5

大町から扇沢に向い、洞門をぬけた扇沢橋の手前が柏原新道の登山口となる。
扇沢橋の前後に駐車スペースがある。

登山道に入り、九十九折に40-50分登った八ツ見ベンチの先から爺ヶ岳南尾根に
向う急斜面に取り付く。

P5040003.JPG P5040001.JPG

笹や木の枝を手掛かりに急斜面を上がると尾根上にのり、尚も急なやせ尾根を
上がって行く。踏み後や大きめの赤いリボンが目印となる。

P5040005.JPG

所々尾根を左側に少し外し、雪の中のトレースを歩きながら高度を上げていく。

P5040007.JPG

やがて右側の樹林帯を外れた雪の斜面と、樹林帯の中の雪のない踏み跡の両方が
使えるようになる。

P5050052.JPG

尾根筋を登り続け、雪壁を右から巻いて標高2320mのジャンクションピークと
呼ばれる小高い丘の上にでると視界が開ける。
(ジャンクションピークまでは北東方向に延びる尾根を忠実に辿る。ピークから
山頂まではほぼ北方向に登る。)

P5040010.JPG P5040013.JPG
ジャンクションピーク付近

ここから暫く前方に爺ヶ岳を見ながらなだらかな雪面を行く。

しばらく進むと、雪道を外れ左側のハイマツ帯に入り、夏道が使えるようになる。

P5040016.JPG

ガラ場にできたジグザグの路を標高にして約300m登り、爺ヶ岳南峰に導かれる。

P5040017.JPG
爺ヶ岳南峰頂上

冷池山荘までは、種池方面から来る夏道を通ることができる。

P5040021.JPG P5040020.JPG
冷乗越 赤岩尾根分岐
赤岩尾根下山では表層雪崩や滑落の危険性が警告されている。

*上記はあくまでも2012年GWのルート状況であり、時期や降雪状況により異なる
ことに留意したい。


[山の情報リンク]
□山小屋情報
冷池山荘はこちらをご参照ください。
GW中は営業しており小屋泊まりも可能。





101座からの山歩き TOPへ


posted by 山谷行蔵 at 12:07| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 山行・自然探訪委員会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック
101座からの山歩きTOPへ
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。